どんな空でも 自閉症の娘と家族の日常 

自閉症の娘の育児、家族の記録 支援級の3年生です。

【犯罪被害】事件に向き合う

刑事裁判が始まり、事件から2年以上経ち、再び事件に向き合っている。

この2年間、日常を送りながら、事件のことは頭から離れることはなく過ごしてきた。

次回の弁護士さんと対面の打ち合わせの際、意見陳述で言いたいことのまとめを持って行く。

仕上げはまだ先でいい。

パソコンの画面に向かい、要点を書き出す。

意見陳述は、事件によって受けた被害の心情、被害後に与えている影響など、公の場で裁判官、被告人に直接、伝えることが出来る被害者の権利。

どんな言葉を並べても、伝わることはないだろう。

伝わる相手なら、そもそも事件を起こしていない。

私自身が事件に向き合い、一区切りをつけたいから意見陳述をしたい。

被害に遭った場所へ行くきっかけになった経緯を書かなければ、一番伝えたい言葉に繋がらない。

今回の事件に向き合うこと(意見陳述をする)は、次女が亡くなった交通事故に遡ることになる。
(私が運転していて信号で停車中、助手席に置いていた書類に気を取られ前方不注視になった後続車にノーブレーキで追突され、私と長女が負傷、次女は約14時間後に亡くなった)

あいぼんの障害診断。


次女を交通事故で亡くし、新たな幸せをと思っていたら、三女は知的障害を伴う自閉症児。
真っ暗なトンネルを歩いているような中、歩いてきた私自身の人生、尊厳を踏み躙る事件。

心に傷を抱えて必死の想いで辿り着く
自分の状況が苦しくて救いを求めて行く場所。

弱みにつけこんだ事件。

トンネルの先の光が見えて、前向きに生きてきた。

そして裏切られた。

もう誰も信じること、心を許すことは出来ないだろう。


我が家は手帳所持が3人いて、多くの支援者に支えられている。

その大切な支援者にさえ、本心から相談出来なくなってしまった。
被害後、一番困っていることだ。

今回のような被害に遭わないために、一歩引くことは必要なのかもしれない。

自分や家族を守るためにも。

けれども、信頼して相談出来ていた自分を取り戻したい。

意見陳述を行うことは、私にとっては大きな一歩だと思っている。
一区切りをつけて前に進みたい。


(交通事故の裁判の際、意見陳述をした。
判決文には、被害者らに何の落ち度もなく、命を奪われた被害者はもちろんのこと、被害者遺族の処罰感情が強いのも当然と言えると記された。初犯、死亡した被害者が1名では珍しく実刑判決が出た)




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